Youtubeやツイキャスなどの配信の音質向上のためにオーディオインターフェイスを導入する方へ向けて、オーディオインターフェイスを導入するなら、この機材は使えない or 相性の悪い機材について解説していきます。
逆に買うべき機材も説明しているので、オーディオインターフェイスの導入検討をしている方は読んでみてください。
マイク関連
ソニーの定番マイク、ECM-PCV80Uは使えない
配信、初心者、マイクなどで調べると絶対出てくるソニーのECM-PCV80Uですが、この製品は特殊な電圧を必要とする専用設計なので、XLR端子を備えていますがオーディオインターフェイスでは基本的に使用不可です。(どんな商品か見たい方は→こちら)
既にこのマイクを持っている方は残念ですが、この記事後半でおすすめしてるコンデンサーマイクに切り替えるのがベターです。
SM58などのダイナミックマイク
楽器屋さんに「マイクを買いに来ました」と伝えたら「超定番マイクだからこれを買っておけば間違いない」とおすすめされることが非常に多いSHUREのSM58。
実はこのマイクはYoutube配信や実況向きではありません。
というのも、SM58はダイナミックマイクという種類のマイクで、音を拾う範囲が非常に狭く、口元のすぐ近くにマイクを持ってこないとすぐに音量が小さくなってしまうからです。
なぜ楽器屋さんはこのマイクをおすすめしてくるのか、その理由が大多数の音楽スタジオやライブハウスで採用されている業界標準のマイクだから、という点につきます。
ちなみに楽器屋さんで配信用のマイクを買うのであれば「配信やYoutubeの収録で使いたいのでオーディオインターフェイスに刺せるコンデンサーマイクが欲しいです」とはっきり伝えるのがベターです。(「配信で使います」とだけ伝えるとUSBマイクやステレオミニプラグのマイクをおすすめされてしまう可能性がある)
ダイナミックマイクがダメなマイク、というわけではなく。もちろんスタジオライブの配信や楽器を使った配信では有効です。
ダイナミックマイクはその特性上、大音量で他の楽器が鳴ってる中、他の音を拾わずに、目の前のボーカルや楽器音を正確に拾うマイクとしては非常に優秀で、楽器屋さんがおすすめするのも納得の優れた一品です。
ただ、配信用やディスコードなどのボイスチャット用となると常に口元のすぐ近くにマイクを置きながらしゃべらないといけないので、配信とは相性が悪いという意味になります。なので出来ればもう少し広い範囲の音を拾ってくれるコンデンサーマイクを導入しましょう。
ステレオミニプラグの卓上マイク、ピンマイクなど
ステレオミニプラグ(いわゆる普通イヤホンとかに付いている3.5mmプラグ)を持ったマイクも基本的にオーディオインターフェイスでは利用不可です。
オーディオインターフェイスにはそもそも3.5mmプラグを刺すところが無い上に、仮に変換プラグを購入してオーディオインターフェイスの持つ端子に合わせて使おうとしても、ノイズに強いXLRケーブルと異なりノイズが乗ってしまい「いい音質」を求めて導入するには矛盾しています。
一応YAMAHAのAG03にはヘッドセット用のステレオミニプラグのマイク入力端子が備わっているので使用は可能ですが、せっかくのオーディオインターフェイスの高音質スペックを生かせないので勿体ないと思います。
USBマイクは全て使用不可
オーディオインターフェイスとマイクの接続は基本的にはXLRケーブルを用いるので、コンデンサーマイクであってもUSBマイクは使えないので注意が必要です。
オーディオテクニカの名機「AT2020」やマランツプロの「MPM1000」などのエントリーモデルはUSB接続タイプの「AT2020USB+」や「MPM1000U」という型式が存在するので購入する際は間違えないように気を付けましょう。
買うならXLR端子を持ったコンデンサーマイク(48V対応品)
ここまで買ってはいけないマイクを書いてきましたが、逆に買うべきマイクの答えは決まっていて、下記3つの条件が当てはまっていればOKです。
- 単一指向性のコンデンサーマイク
- XLRケーブル(キャノンケーブル)で接続するタイプ
- 48Vファンタム電源を使用するタイプ(ほとんどのオーディオインターフェイスが対応)
単一指向性というのは「1方向からの音を拾う」という意味です、全周囲の音を拾う全指向性、前後の音を拾う双指向性というマイクもありますが他の雑音を(エアコンや車の音)広いやすくなってしまうので特別な理由が無ければ単一指向性のマイクを選ぶようにしましょう。
48Vファンタム電源というのはコンデンサーマイクに必要な電源のことですが、ほとんどのオーディオインターフェイスが対応しているのであまり気にしなくても大丈夫です。
オーディオインターフェイスに導入したいおすすめマイク(1万円以下)
MPM-1000
(マランツプロ)
- 人気のコスパ抜群マイク
- 6000円ながら驚きの高音質
- ショックマウント、簡易卓上スタンド付き
TM-80
(TASCAM)
- 充分クリアな音質
- ショックマウント、簡易スタンド付き
P120
(AKG)
- 上位機種にひけを取らない音質でコスパ抜群
- 付属品は無いため別途購入が必要
具体的におすすめなマイクとしてはエントリーモデル(1万円以下)であれば上記3つがおすすめです。
1万円を超えても大丈夫ならオーディオテクニカの「AT2020」がエントリー向け鉄板なのでそちらもおすすめです。
全てXLR端子で接続出来て単一指向性、なおかつ48V電源を使用するタイプです。
マイクについては以下の記事で価格帯別にかなり詳しく解説しているので気になる方は読んでみてください。(AG03/AG06向けと書いてますが、どんなオーディオインターフェイスでも当てはまる記事になってます)
スピーカー関連
使用可能なものはモニタースピーカーと覚えよう
オーディオインターフェイスで使用するスピーカーは基本的にはモニタースピーカーという部類のスピーカーになります。
モニタースピーカーというのはリスニング用と少し趣旨が異なり、録音した音やMIXした曲の源音を忠実に再現できる制作用のスピーカーになります。
もちろん通常のリスニング用途でも抜群に音がいいので、モニタースピーカーを導入するだけでリスニング環境も同時に向上します。
USBスピーカー、ステレオミニプラグのスピーカーはNG
パソコン用スピーカーとして便利なUSBスピーカーはオーディオインターフェイスを通せないので既に持っている方は勿体ないですが買い替えを検討しましょう。
ステレオミニプラグの3.5mmプラグを搭載しているスピーカーもオーディオインターフェイスからは基本的に出力出来ないので、モニタースピーカーを用意するようにしましょう。
低予算でも買えるオーディオインターフェイスにおすすめのモニタースピーカー
こちらの3つのモデルなら十分にクリアな音質でモニターすることが出来ます。
特にTASCAMのVL-S3は格安のコスパモデルなので初めて買う方にはおすすめです。
上の3つのメーカーはどれも有名音響機器メーカーですが、他にも有名な定番モデルとしてYAMAHAの「MSP3」「HS5」、ADAMの「A3X」などがあります。
ケーブルは機材に合ったものを選ぼう
ここまでのオーディオインターフェイスと相性の悪い機材を避けて、専門の機材を買えば自然とそれに合ったケーブルが付いてくるのですが、中古購入や付属品としてついていなかったりで自分で揃える必要があれば以下は注意しましょう。
コンデンサーマイクをXLR-フォンのケーブルで繋げるのはNG
コンデンサーマイクを接続したけど音が出ない!という不具合の典型例としてマイク側をXLRで繋げて、オーディオインターフェイス側がフォン端子で接続されていることがあります、インターフェイスのフォン端子にはコンデンサーマイクを動かすのに必要な48V電源が通電しないので音が入りません。
必ず両側XLR端子のケーブル(画像左側のようなケーブル)を買うようにしましょう。
おすすめのXLRケーブル2つ
・オーディオテクニカ製
・CANARE製
端子が合わないからといって変換プラグ使って接続するのは基本的にはNG
持っているスピーカーやマイクをオーディオインターフェイス側の端子に合うように変換プラグを使って無理矢理刺すのはやめておいた方が無難です。
それぞれの機材の規格に最適なケーブルが選択されている
各機材ごとにノイズを押さえる設計や出力や抵抗などを加味してケーブルが選択されているので、変換プラグで無理矢理機材を繋げることはノイズが乗ったり、音質が劣化したり、音声が乗らなかったりする原因になります。
イヤホンのミニプラグを6.3mmのフォン端子に変換するのはOK
イヤホンの端子が3.5mmプラグに対して、オーディオインターフェイス側の6.3mmフォーン端子に変換するのは問題無いです。
理由を書いておくと元々の6.3mmだった規格を小型化のためにミニプラグに落とし込んでいるので、比較的相性が良い変換なので特に問題ありません。
接点が1つ増えるのでノイズの原因にはなりますが、耳で明らかに変わるほどの音質の変化は無いです。
オーディオインターフェイスのコンセプトに合った機材を選ぼう
通常のPC向けやスマホ向けの機材とオーディオインターフェイス向けの機材が似ているようで違うということを説明してきました。
既に導入しているスピーカーやマイクを使いたい気持ちは凄くよく分かるのですが、相性の悪い機材を無理矢理変換プラグを使って接続してもせっかく導入したオーディオインターフェイスのスペックを無駄にしてしまうので、オーディオインターフェイスに合った正しい機材を選択しましょう。
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